『ウマ娘』の影響で競馬を始めるユーザー増加中|桜花賞で馬券を当てるファンも
ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の影響から、競馬を始めるユーザーたちが現れ始めました。
2021年4月11日の桜花賞開催後、SNS上はユーザーたちによる桜花賞の話題で大盛り上がり。「ゴルシ(ゴールドシップ)」に似てると話題の馬も出馬し、馬券を当てたユーザーまで現れています。
『ウマ娘』から競馬への流れは想定内かもしれませんが、今までの『ガンダム』や『けものフレンズ』などとのコラボよりも大きな流れができているように感じます。一体何が違うのでしょうか?
この記事では、『ウマ娘』のユーザーたちが競馬を始める理由、そして、過去コラボとの違いについて紹介していきます。
『ウマ娘』で競馬の楽しさに気づくユーザー続々
週末になると、ツイッタートレンドに競馬のレース名が入る現象が起こっています。
ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』の影響と言われており、競馬のことをつぶやくユーザーたちも多く見られるようになりました。
4月11日の桜花賞では馬券を買うユーザーも現れ、中には馬券を当てるファンも!
ウマ娘のモチーフになった名馬たちの子どもや孫を応援したり、迫力のあるレースに魅入ったり、馬の美しさに気付いたりと、自分なりの楽しみ方を見つけるユーザーも続出。『ウマ娘』から競馬を始めるユーザーはまだまだ増えていきそうです。
桜花賞で「ゴルシ」に似てきた「ソダシ」が話題に
4月11日の桜花賞で1位に輝いた「ソダシ」が、『ウマ娘』の人気キャラ「ゴルシ(ゴールドシップ)」に似ていると話題になったのを知っているでしょうか。
ソダシは純白の毛色が美しい白毛馬で、「芦毛の怪物」とよばれたゴールドシップを担当した厩務員(きゅうむいん)の今浪さんが世話をしている、ゴールドシップの後輩にあたります。
ソダシは、今浪さんからも「雰囲気がゴールドシップに似てきた」と言われており、レース中に見せた「舌を出してゴール」というゴールドシップとの共通点は、SNS上でも話題になりました。
まだ3歳と若く長い活躍を期待できることから、今後も『ウマ娘』ユーザーたちから注目を浴びることとなりそうです。
皐月賞にはウマ娘のモチーフになった血統馬が多数出馬
桜花賞の翌週の4月18日に開催された皐月賞では、ウマ娘のモチーフになった名馬の血統馬が多く出馬したことで話題になりました。
ゴールドシップの子供である「ルーパステソーロ」をはじめ、スペシャルウィークとマルゼンスキーの血を引く「エアフォーリア」、さらに「アサマノイタズラ」は祖父がキングヘイロー、「ワールドリバイバル」にいたっては、祖父にアグネスタキオン、曾祖父にスペシャルウィーク、さらに二代さかのぼるとマルゼンスキーの血も入っており、名馬の血が続いていることを実感できる血統になっています。
出走馬の血統は競馬情報サイトでチェックできます。出走馬の父・母だけでなく、5代前までさかのぼれるため、思わぬところで自分の推しの名前を見つけることもありそうですね。
『ウマ娘』から競馬に興味を持つ4つのきっかけ
『ウマ娘』から競馬に興味を持つのは分かりますが、実際に競馬を始めるほど動かされるのはなぜでしょうか?
SNS上には、『ウマ娘』から競馬を始めたという声が多く投稿されていますが、その中にはよく見かけるきっかけが複数あることに気がつきました。
そこでここからは、SNS上でよく見る『ウマ娘』から競馬に興味を持つ4つのきっかけについて紹介します。
推しウマ娘の「血統」から興味を持つ
『ウマ娘』に登場するキャラクターたちはかつての名馬たちをモチーフにしています。
モチーフの名馬たちは基本的に現役を引退しているのですが、その血統馬たちとなれば現役の馬もたくさんいます。推しのモチーフになった馬を応援することはできませんが、その子供や孫を応援することは可能です。
また、中にはウマ娘のモチーフになった名馬の血を多く引き継いでいる馬もおり、血統にロマンを感じるユーザーもいるようです。
名馬たちの「エピソード」から興味を持つ
『ウマ娘』は、モチーフとなった名馬たちのエピソードを多く取り入れていることで有名です。エピソードは輝かしいものばかりではありませんが、努力や苦労のエピソードなども知ることで、ウマ娘たちをさらに深く知ることができます。
中には号泣を避けられないようなものや、馬のおちゃめな一面が知れるエピソードも。
実際に起こったエピソードをゲーム内で体験することにより、競馬の持つドラマ性に触れてもらうしかけです。
また、競馬ファンからすると『ウマ娘』内のエピソードは懐かしいものばかり。史実をゲームで追体験し、目頭が熱くなるユーザーも多いようです。
ゲームの「臨場感」から興味を持つ
競馬最大の魅力の一つである「臨場感」。『ウマ娘』のレースシーンは臨場感が抜群で競馬ファンからも支持されるほどです。
そのため、『ウマ娘』でレースの臨場感を知り、その感覚を本物の競馬で味わってみたいと興味を持つユーザーもいるのです。
スピード感のあるカメラワークやウマ娘のモーション、そしてレースを盛り上げてくれる実況。本物の競馬さながらの迫力があり、本物に触れたいと思うのも納得できますね。
『ウマ娘』内の「連動イベント」から興味を持つ
ソーシャルゲームという特徴を活かしたポイントが、競馬との「連動イベント」です。
桜花賞や皐月賞といった大きなレースの時期になると、各レースと連動した期間限定ミッションが開催されます。現実のレース開催日にゲーム内でも同じレースを開催することで、ユーザーにレース名を知ってもらうだけでなく、実際にレースを見てもらう狙いがあります。
連動イベント期間中は、SNS上にレース名のハッシュタグを付けた投稿も増えるため、トレンド入りすれば『ウマ娘』ユーザー以外にもレースの存在を知ってもらえるチャンスにつながります。
『ウマ娘』がコラボ以上のムーブメントを起こしたのは「競馬の面白さ」に触れられるから
『ウマ娘』から競馬への流れがこれほど大きくなっているのは、今までのコンテンツコラボでは伝えきれなかった、「競馬の面白さ」を伝えられているからではないでしょうか。
競馬はギャンブルのイメージが先行しがちな面がありますが、かなり奥が深いコンテンツでもあります。
この奥深さは競馬に触れて初めて分かるものですが、コンテンツコラボは広告がメインになるため、面白さの本質が伝わりきらなかったのです。
しかし、競馬の面白さがギュッと詰まった『ウマ娘』なら、ゲームをしながら競馬さながらの体験ができます。
エピソードや臨場感は競馬ファンも納得するほどのため、競馬の奥深さにも触れることができます。
ゲームという形で、競馬に興味がない層に競馬の面白さを伝える。
この流れこそが、『ウマ娘』から競馬へとユーザーが流れる理由なのではないでしょうか。
ウマ娘に立候補も|『ウマ娘』は競馬界への架け橋となるか
ソーシャルゲームから競馬への流れを作り上げた『ウマ娘』。驚くことに、ウマ娘参戦に立候補するオーナーも登場しています。
立候補したのは、桜花賞に出馬した「メイケイエール」のオーナー。メイケルエールの人気につながることや、競馬を通じた地域の活性化も期待しているそうです。
立候補からウマ娘へ、そしてウマ娘から競馬への流れができれば、『ウマ娘』はまさに競馬界への架け橋的存在になり得ます。
『ウマ娘』とが今後どれだけ成長するのか、競馬界との連動はどうなっていくのか、そこからどれだけの経済効果が生まれるのか、今後も目が離せないコンテンツであることは間違い無さそうです。