『ポケモンユナイト』のMOBAとは?じつはeスポーツ最大手ジャンルです
配信と同時に盛り上がりを見せている『ポケモンユナイト』。「ポケモン×戦略」という、今までになかったテイストのゲームです。
さて、『ポケモンユナイト』は「MOBA」というゲームジャンルになりますが、聞いたことはありますでしょうか?耳慣れない方も多いと思います。
じつはeスポーツの世界最大手ジャンルで、プレイヤー人口は数億人とも言われています。特に有名なのがLOL(League of Legends)で、LOLだけで1億人以上のプレイヤーを抱えるほど。
日本ではまだ認知度が低いですが、『ポケモンユナイト』をきっかけにプレイ人口が増えるのではと言われています。
この記事では、MOBAとは何か、世界におけるMOBAの人気度とプレイすべき理由を紹介します。
MOBAとは
MOBAとは「マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ(Multiplayer online battle arena)」の略です。リアルタイムの戦略性が問われるゲームで、『エイジ オブ エンパイア』に代表されるRTS(リアルタイムストラテジー)の派生と言われています。
MOBAの元祖は『ディフェンス オブ エンシェンツ(Dota)』というゲームだと言われています。
続編の『Dota2』は今までの大会賞金総額が200億円を超えるビッグコンテンツとして知られており、海外では夢のあるゲームジャンルとして、多くのプレイヤーを集めています。
ここでは、MOBAをプレイする上で欠かせない3つのポイントを見ていきましょう。
ルール|競技性の高いリアルタイム戦略チームバトル
MOBAのゲームは3対3や5対5などチームでの対人プレイがベースです。
プレイヤーは味方と協力しながら、相手キャラを倒したり、相手陣地を奪ったりし、設定された勝利条件のクリアを目指します。
例えばLOLのルールを見てみましょう。
- LOLのルール
- プレイヤー人数:5対5
- 勝利条件:相手の本拠点を破壊する
ルールはいたってシンプルですが、キャラクターの能力やスキル、数多くのアイテム、マップに仕組まれたギミックなど、さまざまな要素が存在するため、実際はかなり奥深いです。
また、マップは上・中央・下の3レーンに分かれており、キャラクターの配置もかなり重要。相手の裏をかいたレーンを攻め、逆転することも可能です。
シンプルだけど奥が深い。これがMOBAが人気たる最たる理由と言えるでしょう。
賞金|億超えはあたり前!eスポーツ界の最大手ジャンル
MOBAは競技性の高さから多くの大会が世界のあちこちで開かれています。そして、大会賞金は「億超え」が当たり前。世界に数億のプレイ人口を持つ巨大市場だからこそできることです。
例えば、2019年に行われたLOLの大会「2019 World Championship」では、決勝戦の平均視聴者数が2,180万人を記録。最大同時視聴者数は4,400万人にも登りました。
ちなみにこの際の賞金は222万ドル(約2億4千万円)。とても夢のある話ですよね。
さらに、Dota2の大会「The International 2019」では、賞金総額が3,430万ドル(約38億円)という莫大な金額に。賞金額の高さも海外でMOBAが注目される理由の一つとなっています。
日本では?|国内はまだ未開拓!新規参入チャンスあり
では、日本でのMOBA人気はどうでしょう?日本は海外と違ってあまり浸透しておらず、まだまだ未開拓の状態となっています。
例えば、世界的に有名なLOLを見てみましょう。
じつは、LOLはスマホ用アプリとしてもリリースされており、『モバイル・レジェンド』(2018)、『リーグ・オブ・レジェンド:ワイルドリフト』(2020)と2本が存在します。
しかし、どちらもセールスランキングは100位以内に入ることも稀で、売上も増加傾向にはありません。また、SNS上でもトレンドに入ることはほとんどなく、知る人ぞ知るジャンルとなってしまっているのが現状です。
有名なMOBAゲーム3選
さて、MOBAの基本を解説したところで、有名なMOBAゲームを3本紹介します。
MOBAはこれからもプレイ人口が増えていくと予想されます。日本におけるeスポーツの普及に先駆けて、今から触れておくのはいかがでしょうか?
『Dota2』|MOBAの元祖!1試合約1時間のじっくり派
Dota2はMOBAの元祖と言われるゲームです。ルールは、5対5のチームバトルで、相手陣地の制圧が勝利条件となります。
1試合あたり約1時間と試合時間が長いのが特徴で、1ゲームの中でキャラクターがレベルアップしたり、アイテムや装備を手に入れたりといった成長が楽しめます。
そのため、序盤・中盤・終盤と、ゲームの進行フェーズを把握することが大切で、相手陣地に攻め込むタイミングも重要となってきます。
また、キャラクターが100種類以上、それぞれ4種類のスキルを保有しているため、いろいろなプレイスタイルを楽しめるのも特徴です。
Steamで無料ダウンロードできるため、興味があるならぜひ触れてみてください。
『League of Ledends』|キャラの多さと遊びやすさが特徴
League of Legends(LOL)は、とにかくキャラクターが多いのが特徴。2021年8月の時点で150体以上のキャラクターが存在します。
また、PC以外にスマホアプリとしても配信されており、スマホ版はPC版に比べて遊びやすさを優先した作りとなっています。
「プレイヤー数世界一」の呼び名のとおりタイトル知名度が高いため、友達を誘って一緒に始めたり、プレイヤーフレンドを探したりするにはピッタリのゲームではないでしょうか。
『伝説対決 Arena of Valor』|ポケモンユナイトのテンセントが開発
スマホとSwitchでリリースされている『伝説対決 Arena of Valor(AoV)』は、ポケモンユナイトの開発元である「テンセント」が開発したゲームです。
スマホ用アプリならではの気軽さがウリで、プレイ時間は1試合当たり15分前後と短めです。
また、コラボキャラクターも多くリリースされており、バットマンやスーパーマン、さらには『SAO』のキリトやアスナも登場するなど、日本人プレイヤーにもとっつきやすい作りとなっています。
「MOBAは気になるけどキャラデザがちょっと……」という方は、AoVから始めてみてはいかがでしょうか?
なぜ日本ではMOBAが流行らないのか
世界中で遊ばれているMOBAですが、一体なぜ日本では流行っていないのでしょうか?その理由について推測してみましょう。
いろいろ理由はあると思いますが、主に「キャラクター」と「触れる機会」の2つが大きな要因ではないでしょうか。日本のゲーム市場という背景と合わせて見てきましょう。
触れる機会が少なかった(コンシューマーで発表されなかった)
MOBAが発表され来たプラットフォームは主にPCです。プレイヤーの年齢層も高めで、「大人のゲーム」というイメージが強い傾向にあります。
そのため、プレイヤー層が違うという考えがあったのか、コンシューマーではあまりリリースされてきませんでした。
一方、PCゲームではMMOが主流で、スマホゲームもソシャゲが主流と、コミュニケーションが取れるゲームが人気を獲得していました。
コンシューマーには、マリオやFF、DQなどの強力なコンテンツがいたため、必然的に選ばれる機会が少なかったのかもしれません。
キャラクターグラフィックの好みが合わない
ゲームを選ぶきっかけをキャラクターに求める方は多いと思います。ソシャゲはその最たるところで、新しいゲームでもキャラデザが良ければプレイヤーは定着します。
しかし、MOBAの多くは海外産のため、キャラクターグラフィックは写実的なものがほとんど。日本人の好みとズレてしまっているのかもしれません。
ゲームの面白さが分かれば、キャラクター抜きにしても遊ぶはずですが、触れる機会が少なかったため、面白さが理解されておらず、結果選ばれないという状況にあるのかもしれません。
『ポケモンユナイト』は日本におけるMOBA開拓者となるか
日本でまだまだ未開拓なMOBA。今まで触れる機会が少なかったジャンルですが、日本で絶大な支持を集める「ポケモン」をアイコンとすることで、多くのプレイヤーを獲得しています。
今後、『ポケモンユナイト』をきっかけに、ほかのMOBAも遊んでみようというプレイヤーが増えていくのではないでしょうか?
eスポーツ人口の増加も相まって、MOBA人口が加速度的に増えて行ってもおかしくはありません。