『プロメア』2周年|『プロメア』が心に刺さって抜けない理由
2021年5月24日はプロメア2周年!心の芯まで燃やし尽くされるあの衝撃からもう2年が経ったのです。
2周年に合わせてツイッターでは「プロメア2周年」がトレンド入り。2周年記念トークショーも企画されました。公開から2年たった今でも、作品が深く愛されているのを感じますね。
しかし、改めて考えると『プロメア』はなぜ時間が経っても変わらず愛されるのでしょうか?驚くことに『プロメア』は今も全国のどこかで上映され続けています。
その答えのカギは、作品に詰め込まれた「こだわり」にあると考えました。
こだわりによって研がれた「槍」が深く心に突き刺さる。「刺さる人にはぶっ刺さる」作品だからこそ愛され続けているのではないかと思います。
この記事では、『プロメア』が深く愛される理由を考察します。なぜ『プロメア』を観ると心が燃えるのか、その理由を一緒に考えていきましょう!
プロメア2周年!ファンも公式もまだまだ熱い!
2021年5月24日、公式アカウントを中心に「プロメアは2周年」がツイッタートレンド入り。『プロメア』を愛するファンたちの声で賑わいました。
2周年に合わせて、所沢サクラタウンで開催中の『今石洋之の世界』展では、アンコール上映会&”作った男たち”トークショーも開催。今も変わらぬ熱量を持ったコンテンツであることを改めて思い知らされました。
続編やスピンオフなどの追加コンテンツが無いにもかかわらず、これほどの熱量を2年も継続しているのは本当にスゴイと思います。
また、『プロメア』はリピーターが多いことでも知られています。
何度も観たくなるその源泉は一体何なのでしょうか。
『プロメア』は刺さる人にはぶっ刺さる作品
『プロメア』は「刺さる人には刺さる」作品だとよく言われます。確かに、クセと個性がかなり強いため、『君の名は。』のような大衆受けするアニメとは一線を画す印象を受けます。
しかし、刺さる人には本当に深く突き刺さるとも言われます。そしてその衝撃もかなりのものとも。
作品をリピートする理由は人それぞれだと思いますが、「作品から受けた衝撃をもう一度味わいたい」「作品をもっと理解したい」といった気持ちが強いのではないでしょうか。
これは、好きな人に対して「もう一度会いたい」「もっと知りたい」と思うことに似てるかもしれません。『プロメア』からしか摂取できない、栄養素のような魅力がそうさせるのではないでしょうか。
魅力の源泉は「こだわり」?制作陣が一番の『プロメア』ファンかも
観ると分かりますが、『プロメア』には作品の頭から尻尾まで「こだわり」がギッシリ詰まっています。
コンセプトアートを連続させたように印象的な映像、長尺でカメラワークがグイグイ動くバトルシーン、あまりにもシンボリックな色合いとデザインなど、どのシーンにも制作陣の強いこだわりを感じます。
そしてそこには、松山ケンイチさん、早乙女太一さん、堺雅人さんの、作画を食ってしまいそうな迫真の演技が重なります。
あまりの迫力に、今石監督は「声に負けない画」をどう作るかを強く意識していたほどだそうです。
生の舞台をやっている人たちのパワーみたいなのものがあって、芝居の圧がすごいんですよね。僕はその迫力ある演技を画にするっていう仕事もあるので、アフレコを聴いているときから、この声に負けない画をどう作るかっていうところばかりを考えていました。
引用元:https://natalie.mu/comic/pp/promare-movie02
『プロメア』とは、『プロメア』という作品に惚れ込んだ人たちが、こだわりによって鋭く研いだ「槍」のようなものではないかと思います。
そして、槍の矛先は観客の心へと向かっています。
ファンの作品愛に満ちたプレゼンが刺さるのですから、一番の『プロメア』ファンである制作陣の熱量をまとった槍が深々と刺さるのは当然なのかもしれません。
『プロメア』が心に刺さったら抜けない理由とは
『プロメア』が刺さったファンには、心に深く突き刺さって抜けずリピーターとなる人がたくさんいます。中には10回以上も見に行くファンもいるほど。
一体なぜ『プロメア』は心に刺さったら抜けないのか。その理由を考察します。
制作陣の「やってみたい」が観客の「見てみたい」になった
『プロメア』には今石監督と、脚本の中島かずきさんの「やってみたい」が詰まった作品でもあります。
例えば、声優陣に松山ケンイチさん、早乙女太一さん、堺雅人さんをキャスティングしたのは、中島さんの「自分の脚本のリズム感を分かってくれている人にやってもらいたい」という要望からだったそう。そこに、異化効果の面白さも期待したのだそうです。
僕の脚本にはやっぱり癖があって、そのリズム感をわかってくれている人にやってもらいたいという思いがありました。もちろん演技の素晴らしい声優さんもいっぱいいるんですけど、アニメのアフレコに慣れているアドバンテージと、僕の脚本に慣れているアドバンテージで考えると、どちらも同じじゃないかなと。そうなったときに異化効果みたいなことも含めて今回のようなキャスティングのほうが面白いと思ったんです。
引用元:https://natalie.mu/comic/pp/promare-movie02
また、コンセプトアートのような作画とポップな色彩は、今石監督の『パンティストッキング with ガーターベルト』の色使いを『天元突破グレンラガン』や『キルラキル』の世界観に合わせてみたかったからだそう。
「グレンラガン」のあとに僕が監督をやった「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」というカートゥーン寄りのアニメ作品で、かなり攻めた色遣いに挑戦して、そのとき成功した部分を「グレンラガン」「キルラキル」みたいな世界観の作品の中にうまくはめ込めないかというのを今回試しているんです。情報過多な、いわゆる暑苦しい物語にそういう表現を乗っけて、逆に見やすくなったり、新しくなったりするんじゃないかという狙いがあって。
引用元:https://natalie.mu/comic/pp/promare-movie02
どちらも、アイデアを聞いただけでワクワクする発想ですよね。
『プロメア』では、制作陣の「やってみたい」が、観客の「見てみたい」に繋がったのではないでしょうか。
見どころが無限にある
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(以下逆襲のシャア)という映画があります。
1988年に公開された2時間ものの単発映画ですが、2021年現在も作品の魅力が語りつくされることはありません。
『逆襲のシャア』には、見どころとなる切り口が無数にあります。作画、MSの動き、キャラの思想など、観るたびに新しい発見を得られます。そして、この土台となっているのが作品に込められた「こだわり」です。
『プロメア』にも見どころとなる切り口が無数にあります。作画はワンカットごとに語れるレベルですし、演技はキャラの心情を考察させる迫真さ、BGMの入るタイミングやED曲の歌詞を考察したりといった楽しみ方もあります。
こだわりぬいた素材が合わさってできている作品には、「無限」といえるほどの見どころがあり、何度見ても尽きない魅力があるのです。
「どこかの誰か」ではなく「私」に向けて槍が飛んでくる
なぜ『プロメア』は何度もリピートするほど深く刺さるのでしょうか。
好みもあるためハッキリとは言えませんが、理由の一つに「制作陣の趣向に共鳴した人の心に、槍が一直線で飛んでくる」という要素があると思います。
制作陣が「やってみたい」「見てみたい」「面白そう」だとしたら、観客は「それいいね!」といった感じ。
つまり、観客が抱えていた「こんな作品が観たい」という潜在的な需要に対して、オーダーメイド品のようにツボを突いた供給が飛んできたわけです。
「私はこれが見たかった!」
そんな槍が刺さったら、もう抜けるわけありませんよね。
ファンの心を燃やすのは制作陣の熱い炎
『プロメア』は上映開始から2年以上にわたり、ほぼ常にどこかの劇場で上映され続けています。これは、リピートしてくれるファン無しではあり得ません。
お気に入りの料理を何度も食べるように、自分を形作る音楽があるように、『プロメア』が自分の一部になっているファンが大勢いるのです。
多くのプロメアファンたちは、『プロメア』を「体験」だと言います。
いわば『プロメア』は、制作陣が作り上げた熱い炎を浴びる体験。
熱い炎を浴びたら心が燃えないわけもなく!
3周年も変わらず熱く燃え続けられるように、『プロメア』という炎を浴びてもう一度身も心も完全燃焼しましょう!